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重点事業

■ 経済、社会的課題解決のためのIT利活用

 Ⅱ 農林・水産業におけるIT利活用

・水中音響センサー活用による密漁監視システムの実用化に関する調査、研究・実証事業

(JKA補助事業)

1.事業の目的

 海洋ブイをプラットフォームとし、ハイドロフォンセンサーによる密漁防止システムについて、探知精度や設置、運用など実用化の可能性を調査研究する。

 そのために、ブイの小型軽量化、小型船外機船特有の水中音周波数に特化し、小消費電力で長期間運用可能なハイドロフォンセンサーの開発、データ転送装置の高速大容量化および解析手法の高度化技術の研究を行う。

2.事業の実施内容

(1)ブイ内に格納できる小型で高性能なデータ転送装置を採用するとともに、内蔵基板や電源部を改良した。ブイの全長を約4.3m(1.8mの小型化)へ、重量を約85kg(約25kg軽量化)して、設置や運搬の容易化、コストの削減を進めることができた。
(2)GPSおよび波高計測部への電力供給を太陽光パネル(18W)と蓄電用内蔵バッテリーの電源構造に分離し、ハイドロフォン部の電力供給を長寿化を図った。
(3)データ転送の速度および容量の大幅な改善を図り、1秒毎の連続サンプリングを可能とするようにハイドロフォンシステムの改良を行ない、半径700M範囲に正確な接近検知を確認できた。
(4)方位推定については、ブイの内径を細くしたことによるハイドロフォン間の配置間隔の狭さや、機器固有およびゴムブーツの振動等による流体雑音等により、誤差が大きい等の実用化を進めるための課題と改善などの知見を得ることができた。

 

                        製作した海洋ブイ

開発したハイドロフォン