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2018年03月09日 開発したスマート医療端末を使い保険資格確認のデモンストレーションを行いました

2018年3月9日、日本海総合病院(山形県酒田市)において、JKAの補助事業として試作開発を進めていたスマート医療端末を用いて医療等分野相互接続基盤との接続実証を行いました。この医療等分野相互接続基盤は平成29年度に総務省の実証事業で構築されたもので、その医療端末の一部を当協会で開発したスマート医療端末に置き換え、前橋の群馬大学医学部付属病院と接続して画像情報を連携する模様が披露されました。まず、患者のマイナンバーカードを使って保険資格確認をオンライン(資格確認プラットフォーム接続)とオフライン(非接続)いずれの環境下でも実施できることを確認し、さらにこの処理を活用して受診記録情報登録が行なえることなどを模擬的に実証できました。

このデモには、日本海総合病院、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)、東京工業大学および関係企業の方々にご参加いただき、多くの貴重なご意見を頂くことができました。ご協力頂いた日本海総合病院の皆さまはじめ、ご参加くださった皆さまに、改めて御礼を申し上げます。

 

この事業は競輪の補助を受けて、実施しています。

 

【図1】 保険資格確認情報(オンライン)に基づく受診記録情報の登録と外部医療機関からの診療情報の参照 (拡大画面)

 

マイナンバーカードを持参した患者が医療機関の受付端末で受付をすると、医療等分野相互接続基盤経由でJPKIの仕組みを使った特別な利用者認証が行われます。この利用者認証の方法ではPIN入力を使わないため、マイナンバーカードをかざすだけで簡単に受付が完了します。JPKIにより確認された本人情報を基に、保険資格確認サービスプラットフォームから医療機関側には患者の保険資格情報が伝えられて、保険適用に必要なデータが整いますので、保険証なしに最新の情報に基づいた資格確認が可能になります。

さらに個人毎に受診記録情報が蓄積されることで、後日に別の医療機関において受診記録を調べ情報を特定できるようになり、以前の診療記録や診療データの取得が可能になります。情報を構成する「だれ」「どこ」については、JPKIの利用者確認の際に発生する処理データを基に構成しますが、これに「いつ」の時間情報などを付加して受診記録情報を、ネットワークを経由して受診履歴管理サービスに登録します。

受付端末には総務省実証で用いた汎用のPCも使えますが、ここにスマートホンやタブレットを導入することで、それ自体でマイナンバーカードなどを読み取らせることが可能になるため、専用のICカードリーダやケーブルを用意することなしに、簡便かつ安全・安価な医用端末を導入することができるようになります。

 

【図2】 保険資格確認情報(ローカル)に基づく受診履歴の登録と外部医療機関からの記録参照 (拡大画面)

 

このデモでは、患者のマイナンバーカードで保険資格確認を行う際に、前回の受診時に受付端末に保存しておいた資格情報を使い、資格確認プラットフォームへの接続を省略できるようにしています。この場合も端末側に格納されたJPKI処理用の特別な秘密鍵を使うことでマイナンバーカードによる利用者認証を行えるように工夫しています。今回は、秘密鍵を格納できるWiFiルータ(セキュアゲートウエイ)を用意して、スマート医療端末の外部でJPKI処理を実行するようにしました。

適用は再診時に限られますが、この構成であれば外部ネットワークの接続状況に影響されないので、いつでもスピーディに受付ができるようになります。ただし、この処理で得られる保険資格情報はあくまでも前回に保存した記録ですので、できるだけ速やかに保険資格確認サービス機関に問合わせて最新の情報と照合する必要があります。いつ確認するかはシステム運用の考え方によりますが、事前、並行、事後を使い分けることが可能です。

なお、この方式でも利用者認証に伴いやはり受診記録情報が生成されますが、その登録には必ずしも即時性を求められないので、端末などに医療機関側で一時的に保存できるならば、受診履歴管理サービスについても常時接続としないでも問題にはならないでしょう。

 

【図3】 日本海総合病院におけるスマート医療端末の実証デモ(写真1)

J-LIS理事長、病院機構理事長、病院長にもご参加頂きました。

 

【図4】 日本海総合病院におけるスマート医療端末の実証デモ(写真2)

手に持ったスマート医療端末を奥のTVモニタに拡大表示しながらマイナンバーカードを使って資格確認を実演

 

【図5】 スマート医療端末システム全体像(写真3)

 

【図6】 スマート医療端末・セキュアゲートウエイ(WiFiルータ)・模擬カード(写真4)

スマート医療端末は、マイナンバーカードの高度な機能を利用できます。オフライン環境下でもマイナンバーカードと端末間で相互認証を行うことができ、利便性が向上します。

セキュアゲートウェイ(WiFiルータ)は、医療機関用の秘密鍵を格納して、完全なセキュリティを確保します。模擬のオペレータカードとマイナンバーカードは実証用に作成しました。実物のカードと同じような暗号演算処理を行なっています。

 

【図7】 簡易型Webサーバ(受診履歴管理等)(写真5)

医療用スマート端末が作成した受診情報(いつ・どこ・だれ)を、受診履歴管理サーバとして簡易的に登録します。これは、将来の受診履歴管理サービスを想定したものです。